太陽光発電投資の基礎知識 太陽光発電投資におけるFIT法とは

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太陽光の人気の後押しとなったのがFIT法

太陽光発電投資を検討している人なら、FIT法について聞いたことのない人の方が少ないでしょう。
しかし、具体的にどういう法律かと改めて問われると、なかなか説明の難しい部分もあるかと思います。ここでは、そんなFIT法に関する基本的な知識をまとめてみました。

そもそもFIT法とは

FIT法_イメージ画像

FIT法とは、電力の買取価格を決める法律のことです。売電価格を国が決定し、電力会社にその価格での買取を一定期間義務付けることで、発電事業者(発電設備のオーナー)がより有利に取引できるよう計らう、というのが大まかな要旨です。
FITとは、Feed-in Tariffの略で、固定価格買取制度を意味します。
固定価格買取制度は、再生可能エネルギーの普及を促す目的で、世界50か国以上で採用されています。
全人類的に、石油や石炭に代わる再生可能エネルギーの確保が大きな課題となっています。しかし、再生可能エネルギーを得るための設備は、導入に大きなコストが掛かります。
そこで、大量生産によるコストの低減と技術開発の促進のために、国家規模で太陽光発電等の普及を後押しする仕組みが生まれたわけです。
日本でも、このFIT法が奏功し、太陽光発電の普及が急速に進んでいます。

全量買取の仕組み

FIT法によって、一定期間の電気の単価(1円/kWh)を、事業開始初年度などに決めておく「固定価格買取制度」が実施されていますが、その“買取方式”には大きく2つのパターンがあります。それが「全量買取」と「余剰買取」です。

「全量買取」とは、文字通り「発電した電気の“全て”を買い取ってもらう」方式です。一方、「余剰買取」は、主に「発電出力10kW未満」の小規模太陽光発電事業者に適用されており、発電した電気を自宅などで消費した後、「余った分の電気」だけを買い取ってもらいます。

言い換えれば、10kW以上の発電力を有する産業用太陽光発電事業の場合は、「電力事業者に電気を買い取ってもらう為に発電する」ということが目的になります。

固定価格買取制度の背景

固定価格買取制度は2012年からスタートしましたが、そもそもどうして固定価格買取制度が始められたのでしょうか。2011年3月11日、東北地方太平洋沖地震が発生し、それによる「東日本大震災」は日本全国の人々に大きな影響をもたらしました。そして、その中で再生可能エネルギーへの意識も高まりました。

しかし、太陽光発電や風力発電などに代表される再生可能エネルギーは、火力発電や大規模水力発電と比べると、発電量に対する発電コストの割合が高く、なかなか一般に普及しにくい現状がありました。そこで、その買取を安定させ、再生可能エネルギーの利用を推進することを目的として、固定価格買取制度が誕生したのです。

全量買取制度の価格推移

端的に言えば、固定価格買取制度で決められる価格は、年々下がり続けています。実際、2012年には売電単価「42円/kWh」だったものが、2013年には「38円/kWh」となり、そのまま減少を続け2017年には「21円/kWh」と決められました。

また、改正FIT法によって、2000kW以上の発電規模を持つ産業用太陽光発電事業に対しては、価格の決定方法に「入札制度(2019年度上限価格21円/kWh)」が導入されるなど、全体的に買取価格の減少傾向は維持されていくと考えられています。

全買取価格が下がっても投資効率は上がっている

買取価格が下がってしまうと、当然ながら発電量が同じでも収益が減る為、早くから太陽光発電事業に参入している事業者に比べて、後発の事業者は収益を上げにくくなってしまう、と思われています。

しかし、実は必ずしもそうと言えない現状があります。太陽光発電投資における「実質利回り」を考える際、そのポイントは大きく「初期費用」と「売電額(発電量×売電価格)」の2つが挙げられます。そして、買取価格の下降は確かに「売電額」に直結します。ですが、ここで重要な点が1つあります。それは、システムの技術開発が進み、「発電効率(発電量)」は年々上昇しているということです。

言い換えると、同じ発電効率であっても、その設備費用はどんどん安くなっているのです。つまり事業開始に必要な「初期費用(投資額)」も抑えやすくなっており、賢い事業計画を作ることが出来れば、高い利回りも見込めます。

全量売電価格の今後について

固定価格買取制度の開始により、太陽光発電事業は一気に加速しましたが、それに伴い様々なトラブルも生じました。そして、そうであるからこそFIT法にも抜本的な見直しが図られたのです。

経済産業省や資源エネルギー庁は、再生可能エネルギーの重要性は引き続き考えながらも、同時に電気の買取価格(売電額)をさらに抑えていくという指針を掲げています。それを考慮すると、買取価格はまだまだ減少傾向にあると予想されるでしょう。

2017年から施行された改正FIT法における変更点

2012年7月よりはじまった固定価格買取制度ですが、制度開始から4年で太陽光発電の導入量が一気に2.5倍まで増加し、現行の制度の問題点が浮き彫りになってきました。
そうした問題点を吸収するために、2017年4月1日より改正FIT法が施行されます。以下が、主な変更点です。

事業計画の提出

事業計画とは、事業の内容や用いる設備が基準に適合するものかどうか、また、事業が確実に実施されると見込まれるかどうかを認定してもらうための計画書です。
もし、提出した事業計画に違反した場合は、FIT法に基づく指導・改善命令、認定取り消しといった処分が下されます。

事業計画手続きのポイント

事業計画の認定申請手続きですが、設備が50kW以上の場合は、まず申請用のシステムに必要事項を打ち込み、それを印刷したうえで経済産業局に提出することになります。
また、設備が50kW未満の場合は、設備の設置を請け負った工務店・販売業者が申請手続きを代行し、その旨をオーナーにメールで通知。オーナーは申請内容を確認のうえ、承諾(または拒否)をシステム上で行うことになります。
旧制度は主に紙ベースで手続きが進められましたが、新制度では電子的な作業がメインとなります。とくに50kW未満の太陽光発電設備を導入する場合は、事業計画の申請確認や補正依頼等をメールで行うことになるため、オーナーは必ずメールアドレスを用意しておく必要があります。

接続契約の締結

接続契約とは、電力会社の電力網に発電設備から電力を送るための契約です。必要書類を提出し、電力会社の同意を得ることができたら、無事契約は成立となります。
基本的に業者が行ってくれる手続きですが、接続契約の締結は事業計画認定の前提となる手続きです。中身について知っておいて損はないでしょう。

提出する書類

接続契約の締結時に求められる主な提出書類は以下の通りです。

  • パネル配置図
  • 接続契約申し込み書
  • 引き込み図面

接続契約を結ぶうえで必要とされる書類は、相手方の送配電事業者によって違います。そのため、上記の書類はあくまで一般的なものです。
ご自身のケースでどういった書類を用意すべきか知りたいときは、パートナーである工務店や販売店等に確認されることをおすすめします。

期限は?

FIT法が改正される前に認定を受けていても、2017年4月1日までに接続契約を結んでいない場合は、認定が失効してしまいます。
一方、新制度で認定を受けている場合は、接続契約をいつまでに結ぶ、という期限は設けられていません。しかし、接続契約の締結は、売電単価を決定する前提条件です。接続契約が締結されなければ、売電単価を確保することができません。
その年度の単価で発電設備を運用したい場合は、手続きに掛かる時間なども考えて、遅くとも1月中には手続きを済ませておきたいところです。

どこへ提出する?

書類の提出先は、基本的には各地域を管轄している電力会社となります。詳細が知りたい場合は、やはり委託しているパートナー業者に問い合せるのが早いでしょう。

標識の掲示

設備に何らかのトラブルが発生した場合や、苦情を申し立てる際の連絡先を明記するために、20kW以上の野立ての発電設備に対して標識の掲示が義務付けられました。
主な記載内容は以下のようなものです。

下記の表は左右にフリックできます。
記載項目 項目タイトル
設備の情報 区分 太陽光発電設備
名称 XXXXX発電所
設備ID XXXXXX
所在地 XXXX県XXXX市XXXX町1-1-1
発電出力 XXkW
所有者の情報 氏名 XX XX
住所 XXXX県XXXX市XXXX町9-9-9
連絡先 03-XXX-XXXX
メンテ責任者 氏名 XXX XXXX
連絡先 XX-XXX-XXXX
運転開始年月日 XXXXXXXXX

メンテナンスの実施

設備のメンテナンスが義務付けられた、というのも改正FIT法で知っておきたいポイントの1つです。事業者は、事業計画を申請する際にメンテナンスの計画も併せて提出し、それに則った適切な対応を行う必要があります。

メンテナンスの内容

メンテナンスの内容は、民間のガイドラインに沿って各自が定めることになっています。ただ、以下の6つの項目は、必ず設けなければなりません。

  • 保守点検及び維持管理スケジュール
  • 保守点検及び維持管理の人員配置・体制計画
  • 保守点検及び維持管理の範囲
  • 保守点検及び維持管理の方法
  • 保守点検及び維持管理時の安全対策
  • 保守点検及び維持管理結果の記録方法

いずれも専門知識がなければ見通しの立てられないものばかりです。適切な運用をするためにも、パートナーの業者としっかり相談されるとよいでしょう。

メンテナンスの頻度

メンテナンスの頻度の目安は、設備の容量によって違ってきます。
10kW未満であれば、1年目、5年目、9年目、以降は4年に1回。
10kW以上であれば、4年に1回が推奨されています。
これはあくまでも民間のガイドラインによるものですので、状況によってはメンテナンスの回数がさらに増えることも考えられます。
メンテナンスに掛かるコストなども踏まえながら、保守・点検を委託する業者と打ち合わせされることをおすすめします。

フェンスの設置

野立ての太陽光発電には、フェンスの設置も義務付けられています。どのようなフェンスを設ければよいのかは明確にされていませんが、少なくとも「フェンス越しにパネルに触れられないよう、設備から十分な距離をとること」「簡単には立ち入れないよう、ある程度の高さを設けること」「簡単には取り除けない素材・構造を採用すること(ロープ等はNG)」といったポイントは押さえておくことをおすすめします。
ちなみに、フェンスの設置期限ですが、改正FIT法が施行される2017年4月1日以前に設備認定を受けているものは1年以内。
まだ着工していない場合は、稼働開始までに速やかに設置する必要があります。
フェンスの有無は、設備に保険を掛ける際にもチェックされます。軽視せず、きちんと対応することが大切です。

メンテナンスまでやってくれる業者を探すのが吉

FIT法が改正されたことにより、今までより手続きの手間が多少増えました。とくにメンテナンスの義務化は、現行オーナーへの負担が小さくないでしょう。
しかし適切なメンテナンスは、設備を長期間運用するために欠かせないものです。可能な限り業者を吟味し、質の高いメンテナンスを行ってもらうことをおすすめします。
FIT法の改正は、太陽光発電がエネルギー資源として重要な役割を担ってきていることの裏返しでもあります。万人におすすめの投資方法とは言えませんが、余剰資金があるなら、資産形成の1つの方法としてぜひ検討されることをおすすめします。