太陽光発電投資の基礎知識 太陽光発電投資における利回りの目安

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どのくらい儲かるのか?太陽光発電投資の利回り

太陽光発電投資を始めようと検討しても、高額な初期費用や長期返済が必要となる融資を懸念して二の足を踏む人も少なくありません。果たしてどれくらいの収益が見込めるものなのか、太陽光発電投資の利回りについて整理しておきましょう。具体的な数字をもとにした正確なシミュレーションを把握し、長期的な事業計画を立てておくことが成功の秘訣となります。

太陽光発電投資は平均10%の高利回り

FITによる調達価格(売電価格)が年々下落しているにも関わらず太陽光発電投資の利回りは下がることなく、平均10%という高い数値をキープしています。その理由には、太陽光パネルの技術発達による発電効率の向上と製品単価の値下がりが挙げられます。

売電価格が下がっても利回りは落ちない理由

2017年にFIT法が改正されてからも変わることなく、太陽光発電投資の利回りは平均10%程度を維持しているとされています。

しかし実際には、2012年は40円/kW(10k~2000kW)だった売電単価も、2018年度では18円/kWと、半額以下となっているのです。その一方で、太陽光パネルや周辺機器に関連する技術革新はめざましく、より高性能に、よりコンパクトに、そしてより安価な製品が世界中に広がっています。

その結果、売電単価は下落しているものの、初期費用が安く抑えられるうえに効率的な発電が行えるようになったおかげで、投資全体の収益を測る利回りは下落していないのです。

太陽光発電投資の安定収益は保証されている

FIT価格(売電価格)は、経済産業省再生エネルギー庁内の機関が「IRP(内部収益率)」という指標を参考に決定しています。IRPとは、投資によってもたらされる現在~将来までの長期的な収益・損益を現状価値に換算した割合のことです。いわば「今この投資を始めて、将来的にどれくらいの利益・損益が出るか」の目安となる数値です。FIT価格の決定の際は、常にIRPが5~6%程度となるように調整しているといわれています。

経済産業省再生エネルギー庁は、FIT開始時期から今後の変化を考慮したうえで、太陽光発電投資を開始する時期を問わず、常に同程度の利回りを投資家が得られる保証としてFIT価格を調整しているのです。

初期投資から逆算する利回り目安

太陽光発電投資でどれくらいの収益を得られるか試算するにあたり、どれくらいの初期費用を投下するのかという点は、FIT価格と並んで非常に大切なポイントとなります。

太陽光発電投資では、初期投資の額が大きくなればなるほど、発電量は増えて売電益も上昇するのが一般的です。また、太陽光パネルやパワコンの設置にかかる費用も、発電規模が大きくなるほど相対的に割安になっていきます。

しかしその一方で、土地の取得費、トラブルに備えた保険料やメンテナンス費、ローン金利、各種税金などは増加します。予想される売電益に対して初期投資額が大きすぎれば、利回りは下がってしまいます。かといって少なすぎれば儲けを出せず、投資でリスクを負う意味がなくなってきてしまいます。

太陽光発電投資を始めるのであれば、発電規模と利回り、初期投資額の関係を必ず知っておかなくてはなりません。

初期投資と発電量のバランス

太陽光発電投資で十分な利益を得られるかどうかは、基本的には初期投資額と、その後の発電量(売電額)によって決まります。そのバランスはどのように計算すれば良いのでしょうか。

初期投資額は最初に算出できますが、発電量については、太陽光パネルのメーカーや種類によって異なります。そのため、太陽光発電所の設置の見積もりを取る際は、本体価格にばかり注視せず、その太陽光パネルがどの程度の発電性能を有しているのか、事前に確認することは不可欠となります。

利回りの目安を算出しよう!

太陽光発電投資に限らず、投資において「利回り」を考えることは、その投資の成否を見定める上で不可欠です。

そもそも利回りとは、「初期投資の費用総額に対する年間収益の割合(%)」です。一般的に投資の優劣を考える時、簡単に「利回りが高い・低い」という表現が使われますが、「利回りが高い」ということは「収益性が高い」ということであり、つまり「儲かりやすい投資」ということになります。

例えば、利回りが10%の投資案件があった場合、その投資では10年で収益が投資総額に追い付くことになります。

10%×10(年)=100%=投資総額

一方、利回りが5%になれば、初期費用の回収期間は倍の20年となるでしょう。利回りが低い(回収期間が長い)投資では、純粋な儲けを得るまでに時間がかかる上、何らかのトラブルが発生するリスクも高くなるので、太陽光発電投資であれ、株式投資であれ、不動産投資であれ、投資家は可能な限り高い利回りの投資を行おうと考えます。 ただし、それぞれの投資にはおよそ平均的な利回りも存在しており、あからさまに高利回りをうたっている投資などについては、その話の信憑性も含めて冷静に判断することが何より重要です。

太陽光発電投資の利回りは、初期費用や発電量、その後の環境変化などによって違いが生じますが、大まかな目安を立てることは可能です。

太陽光発電投資のパンフレットなどで謳われている利回りは、しばしば「表面利回り」と呼ばれ、以下のような計算方法で算出されていることが珍しくありません。

・年間総発電量(kWh)×電気単価(円/kWh)÷投資総額(円)×100(%)=利回り
※投資総額は初期費用-補助金など

実際のパンフレットなどでは、それぞれの太陽光パネルの発電量に合わせて、おおむね「10%前後」の範囲で表面利回りが計算されていることもあるようです。

ただし、年間総発電量や売電額の数値は、なかなか理論値の通りにはなりません。そこで、この“差(ロス)”を考慮する必要があります。

また、優れた発電効率をキープする為には、適切なメンテナンスが必要になったり、万が一の際の保険に加入しておいた方が良かったりと、実働には色々な維持費がかかります。

その為、現実的には、

・年間総発電量×電気単価×ロス率-維持費=実際の年間売電額(予想)
・実際の年間売電額÷投資総額×100(%)=実質利回り

というように「実質利回り」を考えなければいけません。

尚、業者によっては見積もりの際に実質利回りを提示してくることもありますが、その際にも提示された数字を鵜呑みにするのでなく、そこには本当に“全ての維持費が含まれているのか”、“そのロス率は正確なのか”などについて吟味することが肝要です。

実質利回りのシミュレーション

では、仮の数字を用いて、実質利回りを計算してみましょう。

  • 太陽光発電設備の投資総額:2000万円
  • 行政からの補助金:400万円
  • 発電性能に対する年間発電量:80,000kWh
  • 売電単価:38円/kWh
  • 年間維持費:100万円
(80,000kWh×38円/kWh×0.8-100万円}÷(2,000万円-400万円)×100=約9%

上記の条件の場合、実質利回りは「約9%」になります。もちろん、これはあくまでも仮の数字で、しかも一度もトラブルなどがないと想定して計算した場合です。実際はより正確なシミュレーションが不可欠です。

その他の資産運用の利回りを考える

銀行預金

銀行にお金を預けておき、利息によって利益を得ることは、一般的な資産運用の方法です。

銀行金利は銀行や、預けておく年数、預金額によっても異なりますが、基本的に大きな金額を長期間預けておくほど、利息は高くなるので、収益も増えるといえるでしょう。また、例えば定期預金の場合、原則的に元本が保証されている上、預金はずっと自分の財産です。万が一、銀行が破綻した場合でも、1銀行当たり最大1千万円までの元本と利息が保証される制度(ペイオフ)があり、預金額を1千万円までに抑えておけば、損失のリスクも抑えられます。

ただし銀行預金の中でも、例えば外貨預金は全く質が異なります。外貨預金とは、日本円を米ドルなどの外貨に両替し、外貨のままで定期預金を行う資産運用です。外貨預金の金利は国によってかなり差がある上、預金した時点の為替レートと満期時の為替レートを比較して、満期時に円安になっていれば、再び所有している外貨を日本円に交換した時点で、相応の儲けが出ることになります。反面、外貨預金では円高になった場合に元本割れのリスクがあるだけでなく、世界情勢やその国の経済政策によって貨幣価値が急落する恐れもあるので、注意しなければなりません。


不動産投資

マンションなどを購入し、それを入居希望者に貸して家賃収入を得る不動産投資も、資産運用の方法として人気です。

不動産投資では基本的に、物件に対するニーズが利回りに直結します。例えば、新築マンションを購入しても、入居希望者が現れず家賃設定を下げてしまえば、投資費用の回収には長い時間がかかってしまうでしょう。一方、そこで暮らしたいと考える人の多い土地であれば、築年数が古くても入居希望者が現れる可能性は高くなり、家賃も一定の額を見込めます。もちろん、物件が古くなるほど、修繕費や保険料といった維持管理費も増えるので、家賃収入がそのまま収益になるとも限りませんが、不動産投資において物件に対するニーズと家賃の関係性は重要なポイントです。ただし、人気の地域にある物件や立地環境の良い物件は、基本的に不動産価値も高くなり、その分だけ初期費用も多くかかります。

不動産投資では利回り3%程度の物件から、15%という高利回り物件など様々な物件が存在しますが、不動産業者が最初に提示する利回りはあくまでも表面利回りであることが大半の為、投資を始める際はきちんと実質利回りについて考えるようにしましょう。


株式投資

株式市場に上場された様々な企業の株(銘柄)を購入して、配当金や株主優待を得たり、株価が上がった時に売却して差益を得たりする株式投資も、資産運用として定番です。

株の銘柄には、全国的に有名で比較的安定しているものがあれば、ベンチャー企業など株価が大きく変動する可能性があるものもあり、どの銘柄を買えば良いのか自分なりに考えながら投資することが欠かせません。株式投資の利回りは、投資額や銘柄によってまちまちですが、平均的には年間ベースで5~6%程度ともいわれています。しかし、ここで重要な点は、投資家全員が年に5~6%もの利益を得られているとは限らないということです。

株式投資では往々にして、「小さく負ける大勢の投資家」と、「大きく勝つ少数の投資家」がいるとされており、この平均利回りも勝ち組投資家の存在を前提として考えなければなりません。

また、企業株では経済情勢や様々な事故・トラブルによって、株価が高騰したり暴落したりする可能性が常につきまといます。投資は原則として自己責任です。株式投資で継続して利益を上げようとすれば、常に株式市場の動向を把握して、その値動きを予測する努力が必要不可欠といえるでしょう。

より正確な発電量の計算方法

実質利回りのシミュレーションは、元となる数値が正確であればあるほど信頼性も高まります。そこで、そもそも太陽光パネルのパンフレットなどに記載されている基本の発電量が、どのようにして算出されているのか知っておくことは決して損ではありません。

発電量の計算式は、「日射量×システム出力係数」によって決められます。そして地域ごとの「日射量」は、独立行政法人「NEDO」が公開している日射量の調査データが参照されています(日射量データベース閲覧システム:http://app0.infoc.nedo.go.jp/index.html)。NEDOのデータベースは誰でも閲覧可能です。まずは自分が太陽光発電所を設置したい土地について確認してみましょう。

補助金制度を有効活用しよう

太陽光発電所の設置に関しては、地方によって補助金制度を設けている場合もあります。初期費用を下げられる補助金は、利回りを考慮する上で非常に重要なポイントです。

ただし、行政の補助金には原則として年間予算の枠が定められている為、その予算が消化されてしまう前に申請をすることが大切です。

まとめ

太陽光発電投資に限らず、投資の利回りシミュレーションへの信頼性は、初期費用と、基礎となるデータの正確性によって決まると言えます。

全てを正確に予測することは無理でも、可能な限り厳密な計算を行うようにしましょう。