【特集】あなたの老後資金の蓄えは万全? 株式投資で老後に備える方法

株式投資で老後に備えるには?

老後の生活を安定させようと、定年退職後に退職金や預貯金を使って株式投資を始める人は少なくありません。ですが、投資の成功にはお金だけでなく知識と経験が重要です。

リスクを減らして収益を増やす為、株式投資に対する基礎知識や、現役世代だからこそのメリットについて、早い内からきちんと理解しておきましょう。

株式投資の基本を知ってリスクを減らそう!

そもそも「株」とは?

新しく会社を起業したり、企業が新たな事業計画を実行に移したりする為には、それに必要な資金を準備しなければなりません。そこで資金を調達する手段として、会社の所有権を分割し、それを売却して資金を得るという方法があります。

この分割された所有権が「株(かぶ)」です。そして、会社に資金を提供して、それと引き替えに株を所有した人を「株主」と呼びます。つまり、株によって資本金を集めている株式会社の場合、その会社は株主にとっての“共有財産”とも言えるでしょう。

当然ながら、株をより多く保有している株主(大株主)ほど、会社の所有権を多く持っているので、会社に対する決定権や発言権も強まります。

しかし、株式会社には大株主に対してだけでなく、全ての株主に対して経営状態や業績などを説明し、さらに利益を還元する義務も生じます。この説明の場が「株主総会」などであり、利益は株の保有数に応じて「配当金」や、会社独自のサービスや商品を特典として提供する「株主優待」という形で、株主に対して返還されます。

株価はどうやって決まるのか?

主になる為には株を購入する必要がありますが、株の価格はその時々の「会社に対する評価」に応じて変動します。

例えば、有名企業で今後も成長しそうな会社であれば、株主として参加したいと考える人も多いでしょう。しかし企業が発行している株数には限りがあるので、必然的に1株当たりの価格も上昇します。

一方、事業に対する信頼度が低い会社では、株主になりたい人も増えにくく、1株当たりの価格も安くなりがちです。この株の価格、つまり「株価」は、株式投資の最重要ポイントです。

安く買って高く売る!株式投資の原則とは?

株式投資には大きく2つの側面があります。まず1つは、株を保有して、配当金や株主優待を利益として得ることです。保有株数が多ければ多いほど、利益も増えますが、その為にはまず株を購入する資金が必要になります。また、配当額や優待内容は会社の業績や方針によって異なります。

もう1つが、株価が安い時に株を購入し、やがて株価が上昇した時にそれを売却することで、差額分を利益として得るというものです。ただし、逆に購入時よりも株価が下がれば、資産価値も目減りする為に、損をしてしまう可能性もあります。

尚、株価の下落時に損失を回避する「空売り」などの手法もありますが、失敗すればさらにダメージが増える為、初心者にはあまりおすすめできません。

老後に備えて30代から始める株式投資!

株式投資で老後の生活を支える為には?

株式投資によって老後の生活を安定させようとすれば、以下のような考え方になるでしょう。

  • 若い内から株式投資で資産を運用し、老後に使えるお金を増やしておく。
  • 老後の助けとして配当金や株主優待を受け取れるよう、株を保有しておく。
  • 定年退職後も株取引を継続し、年金以外の収入源として確保する。

若さが武器?株式投資を始めるには早い方が良い?

株式投資で大きく儲けようとすれば、原則として投資額を増やす必要があります。しかし投資額を増やせば増やすほど、万が一の際の被害も大きくなります。株式投資は、失敗と成功の繰り返しによって経験値を増やしていく投資です。

とは言え退職後は、現役世代と比べて安定した収入源の確保が難しくなりがちです。つまり資産を失った場合のダメージも大きくなります。そして失敗に対する不安が強いほど、ストレスが大きくなり、冷静な判断は難しくなります。

だとすれば、初心者が老後にいきなりまとまった額を株式投資に使うことは、あまり賢明とは言えないでしょう。

現役世代が株式投資を始めるメリット

  • 仕事での収入がある。
  • 投資に失敗しても、頑張れば取り返せる確率が高い。
  • 時間をかけて経験値を積める。
  • 投資で失敗しても、確定申告を行えば税金を減らせる可能性がある。
  • 政治や経済の動向に対して積極的に考えるようになる。
  • 投資で増やした分をさらに運用したり貯蓄したりと、選択肢が増える。

株式投資で老後の備えを計画するデメリット

株式投資における最大のデメリットは、最初に投資した分よりも保有する株の価値が下がってしまう「元本割れ」のリスクでしょう。

また、元本割れまで行かずとも、場合によっては数年分の利益が損失によって相殺されてしまう恐れもあり得ます。

折角、老後に備えておこうと株式投資を始めても、資産が失われてしまえば本末転倒です。だからこそ、株式投資では利益を追求するだけでなく、しっかりとしたリスク管理を行うことが肝要です。

リスク管理の方法としては、株価の値動きが比較的安定している企業に投資する方法や、複数企業の株を少数ずつ保有してリスクを分散しておくなど、幾つものパターンが考えられます。

実際に株式投資を始めるには?

証券口座の開設

最初に、投資資金や購入した株(有価証券)を保管しておく為の口座を開設します。証券口座は、証券会社や銀行の窓口で申し込むだけでなく、パソコンやスマートホンを使いインターネット上で簡単に開設することも可能です。また、ネット証券を使えば、パソコンなどを通じて気軽に株の売買を行えます。

ただし、証券会社によっては株の売却に伴う手数料や、口座開設に伴う特典に違いもある為、まずは自分に合った口座の開設先を吟味することが大切です。

予算を決めて証券口座に入金する

口座の開設が終われば、そこへ株取引に使うお金(投資予算)を入金します。株の購入はこの予算内で行うので、株価や希望保有数に応じた予算が必要です。 また、口座に入金する予算額は自由に決められますが、それを考える上で幾つかの注意点があります。

  • 初心者がいきなり多額のお金を投資に使わない。
  • 実生活に支障を来さない金額を投資に回す。
  • 最悪の場合、損をしても納得できる金額から始める。

購入金額を計算する

株の購入に必要な金額は、大まかに以下の計算式で算出されます。

「購入時の株価×最小取引株数×購入する取引件数=購入に必要な金額」

例えば、株価100円で、最小取引数100株の会社の株を購入するには、最低でも「100円×100株(1口)=1万円」が必要です。

株の購入先となる会社(銘柄)は自由に決められますが、大切なのは「自分自身がその株を納得して買う」ということです。

株価や会社の情報を集める材料としては、その会社のホームページやパンフレットだけでなく、新聞や四季報など色々なものがあります。特に、会社の成長の可能性を示す「業績予想」や、株価がもたらす利益の割合(PER)などの指標は、魅力的な銘柄を探す上で参考資料として重要です。

実際に株を購入する

購入銘柄が決まれば、実際に株を購入する手続き(注文)を行います。株の購入において最も基本の注文方法が「現物買い」です。これは現在の市場にある株を購入するものです。

また、現物買いには「指値(さしね)」と「成行(なりゆき)」という買い方があります。「指値注文」とは、その会社の株価が“指定した価格”になった際に自動的に購入する方法です。対して「成行注文」とは、目標株価を特に指定せず購入する方法です。

指値注文の場合、株価の購入を待つ期間を「本日中」や「今週中」などと選択できるので、常に株価とにらめっこをしている必要はありません。そして、いざ注文となり、例外的なトラブルや、証券口座の残高不足などがなければ、取引が確定して株主となります。

PERやEPSとは?

「PER(株価収益率)」は、株価に対する、「EPS(1株当たりの年間利益)」の割合です。言い換えれば、株主に還元される1株当たりの利益を“何年分”集めたら、株価と“等しく”なるかという数値です。

そしてEPSは、その株を発行している会社の“純利益”と、発行済みの“株数”によって変動します。仮の数字を使って見てみましょう。年間利益1億円、発行数済み株数1000万株の会社であれば、EPSは10円です。

年間利益(1億円)÷総株数(1000万株)=10円/株

また、この会社の1株当たりの株価が150円であれば、PERは15倍になります。

株価(150円)÷1株当たりの利益(10円)=15

つまり、この株では「投資した費用を回収するまで15年かかる」とも言えるのです。

「PER=株価÷EPS」
「EPS=年間利益÷発行株数」

PERの変動から会社の魅力を考える

その投資が有益かどうか、PERの推移から考えることが可能です。

例えば、現在の株価200円、EPS10円、PERが20倍の会社があり、株数はそのままに会社が成長し、やがて株価の上昇率(1.5倍)よりも利益増加(3倍)が多くなるとしましょう。すると、以下のような計算式が成立します。

現在のPER:株価÷EPS=20倍
将来のPER:増加後の株価÷増加後のEPS=(200×1.5)÷(10×3)=10倍

つまり、将来的にPERは現在よりも“低く”なります。PERが低いほど、投資資金の回収に必要な期間が短くなる、即ち「コスパが良い」と言えるので、この企業の株は将来的に今より「お得(割安)」になると言えるでしょう。

もちろん、会社の行く末を完全に予想することは困難です。しかし、過去から現在に至るまでのPERの変化は、その会社の将来性に対する判断材料の1つになります。

株式投資はインフレ対策にも有効!

銀行にお金を預けている場合、インフレ(物価上昇)が起こると、相対的に貨幣価値が減少して、資産が目減りしてしまいかねません。

何故なら、仮にそれまで100円で買えていたものが1000円出さないと買えなくなった場合、預けている金額は変わらないので、結果的に資産としての価値は10分の1になるからです。

しかし、資産を株として保有している場合、物価変動に伴って会社の業績や株価もダイレクトに変わる為、資産も合わせて変化していきます。これが、株式投資はインフレに強いと言われる理由です。

ただし、インフレには様々な側面があり、株を購入している企業の業績が必ずしもインフレによってプラスになるとも限らない為、常にアンテナを張っておくことが大切です。

株式投資に向いている人は?

現役世代の中でも、以下に当てはまるような人は、特に株式投資に向いているかも知れません。

  • 預貯金の額に余裕がある。
  • 夫婦で共働きをしているなど、世帯収入が多い。
  • 実家住まいなど、生活に必要な支出を抑えて、投資費用を捻出しやすい。
  • 自分の将来を自分自身で開拓したいという気持ちが強い。
  • 好奇心が強く、社会の動きに興味がある。

株式投資の他におすすめの投資は?

国債の購入や、FX、個人年金保険、不動産投資など、投資には株式投資の他にも様々な種類があり、そのメリット・デメリットはそれぞれによって異なります。

老後に備えた投資として人気の太陽光発電投資

太陽光発電投資とは、太陽光から電気を作り出す太陽光パネルを備えた“発電所”を設置して、発電した電気を電力事業者へ売ることで利益を上げる事業です。

太陽光発電所を設置する為の土地や設備機器が必要で、その工事に費用も掛かる反面、かなり安定して収益を見込める投資であり、老後の年金補助として根強い人気を誇っています。

太陽光発電投資の特徴とは?

太陽光発電投資の最大のポイントは、主に次の3つです。

  • 1.資源は宇宙から降り注ぐ太陽光のみ。
  • 2.電気を電力事業者に買い取ってもらう最低価格が法律で定められている。
  • 3.最初に決められた販売価格で、一定期間ずっと電気を買い取ってもらえる。

特に「2」と「3」は「再生可能エネルギー固定価格買取制度(FIT)」というもので、これにより太陽光発電投資は、“事業開始の時点で将来的な収益を計算可能”という、極めて異質な特徴を備えています。

太陽光発電投資の利点は?

ハイリスク・ハイリターンを狙える株式投資と異なり、太陽光発電投資は原則として、初期費用を、長期的に電気を売った利益で回収していくという性質の事業です。そして回収期間は平均して10~20年ほどと言われています。

また、企業の経営破綻や世界的な株価暴落など、突発的なトラブルによって大きな損失が生じるかも知れない株式投資とは対照的に、太陽光発電投資は“法律によって価格と買取が保証されている”為、利益計算だけでなくリスク管理も行いやすくなっています。

もちろん、太陽光発電投資でも、突然の災害で太陽光パネルが損傷したり、周辺環境の変化で日射量(発電量)が変わったりする可能性はあるでしょう。

とは言え、どのようなリスクが考えられるのか事前に考えておけば、その為の対策も十分に施しておくことが出来ます。また、太陽光発電投資では太陽光発電所が資産として現物で存在する為に、企業倒産によって保有している株の価値が消滅するような心配もありません。

一攫千金ではなく、老後の生活に備えて安定した資産の確保が目的であれば、太陽光発電投資はかなりおすすめの投資です。

太陽光発電投資は資本金0円でも始められる

投資として安定しているということは、金融機関にとって融資する上で魅力的な事業であると言えます。その為、太陽光発電投資では、初期費用をローンでまかなう「ソーラーローン」もあり、自己資本が少ない人でも始めるチャンスが用意されています。

ただし、ローンを利用する場合は、売電によって得られる利益と金利のバランスを最初に考えておくことが不可欠です。

まとめ

老後に備えて株式投資を始める場合、少しでも早い段階から株式投資の仕組みなどについて勉強しておくことは非常に重要です。また、同時に太陽光発電投資など他の投資についても比較検討し、自分にとって最適と思える投資方法を考えることが、最大のリスク管理と言えるでしょう。