太陽光発電の基礎知識 太陽光発電投資に向いている地域

TOP  太陽光発電の基礎知識  太陽光発電投資に向いている地域

設置地域によって違いはあるのか?地域別の発電量について

まずは太陽光発電に関する都道府県別のデータを見てみましょう。どこの地域が太陽光発電に向いているかがわかります。年間快晴日数、年間日照時間、年間発電量、平均発電量についてランキング形式でまとめました。

地域ごとの発電量

下記の表は左右にフリックできます。
地域別の日照時間と年間発電量の関係
年間快晴日数 年間日照時間 年間発電量
1埼玉山梨長野
51日2,183.0時間3,666kwh
2宮崎高知山梨
49日2154.2時間3,613kwh
3千葉宮崎静岡
48日2116.1時間3,487kwh
4静岡群馬群馬
42日2110.9時間3,459kwh
5長崎静岡茨城
41日2099.0時間3,413kwh
6茨城徳島愛知
40日2092.0時間3,393kwh
7佐賀愛知高知
39日2091.6時間3,350kwh
8岐阜・三重和歌山栃木
37日2088.8時間3,324kwh
9山口・高知・群馬岐阜三重
34日2085.1時間3,305kwh
10-三重岐阜
-2065.6時間3,289kwh
下記の表は左右にフリックできます。
都道府県別 平均発電量ランキング
都道府県 平均発電量(kWh)
1山梨県1436
2長野県1427
3徳島県1373
4静岡県1368
5群馬県1366
6愛知県1361
7高知県1358
8三重県1352
9宮崎県1337
10岐阜県1320
11香川県1305
12茨城県1298
13埼玉県1293
14和歌山県1291
15沖縄県1290
16鹿児島県1290
17栃木県1287
18兵庫県1279
19岡山県1276
20長崎県1274
21神奈川県1273
22佐賀県1270
23滋賀県1269
24熊本県1263
25奈良県1262
26東京都1258
27山口県1251
28千葉県1248
29愛媛県1247
30福岡県1242
31福島県1231
32大阪府1215
33広島県1202
34大分県1191
35京都府1171
36石川県1124
37島根県1113
38福井県1108
39宮城県1105
40新潟県1090
41山形県1089
42富山県1076
43岩手県1070
44北海道1064
45鳥取県1055
46青森県1027
47秋田県902

地域によって発電量が変化

ランキングを見てみると、関東地方や中部地方の平均発電量が多くなっています。なかでも平均発電量の1位を飾る山梨県は、年間日照時間も1位です。日照時間が長いほど、年間発電量も多くなることがうかがえます。山梨県以外にも、静岡県や群馬県、徳島県は発電量と日照時間ともに上位です。

一方、年間発電量が1位の長野県を見ると、年間日照時間はあまり長くありません。これは、ソーラーパネルの温度が高くなると発電効率が低下することに関係しています。長野県は夏場の気温上昇が緩やかなので、日照時間が長くなくても効率的に発電できるのです。

年間快晴日数と年間発電量、それぞれの上位地域はあまり重なっていません。快晴日数の多さよりも、日照時間の長さが重要だということがわかります。

梅雨の時期には発電量がロス

太陽光発電の発電量は太陽が出ている時間の長短に大きく左右されます。雨の日は太陽の光が十分に届かないため、発電力は低下。特に梅雨の時期になると、太陽が出ない日が続くことから発電量が減ります。

日照時間は季節によって異なる

日照時間が長くなれば発電量も多くなることから、夏至となる6月は発電量が増しそうなもの。しかし、6月は梅雨の時期と重なってしまうため、発電量はそれほど多くありません。東京の平年値を見てみると、6月の日照時間は125.4時間です。4月は176.9時間、5月は167.8時間、7月は146.4時間ですから、梅雨の影響で日照時間が短くなっていることがうかがえるでしょう。

発電量が多いのは5月・8月

月ごとの発電量推移を見てみると、4月、5月、8月が10万kWhを超えています。その後、10月~12月は日照時間が短くなるので、発電量が低下。1月から徐々に上がりだして、春~夏にピークが来るという流れです。

夏至の日照時間は約14時間35分、冬至の日照時間は約9時間45分で、その差は4時間50分。これはあくまで最大値ではありますが、夏と冬ではまったく日照時間が違うことがわかります。そのため、日照時間が長い春~夏に発電量は増えるのです。

「北の地域のほうが発電量が多い」は間違い!

太陽光発電について調べていると、「北の地域のほうが発電量が多い」という情報を目にするかもしれません。その説にも一応の根拠はあるのですが、必ずしも発電量が多くなるわけではないため注意が必要です。

どうして北のほうが有利と思われるのか

高温になると、太陽電池の効率が下がると言われています。メーカーが公称している最大出力は、太陽電池モジュールが25℃のときの数値です。これは気温ではなく、太陽電池パネルの温度。夏場はさらに高くなることが容易に想像できるでしょう。このとき、「太陽電池損失」が起こります。太陽電池が高温になることで、電池の効率が下がり、変換の際にロスが生じてしまうのです。

このことから気温が高くなる南よりも、北の地域のほうが太陽光発電に有利だと考えられていました。しかしながら、一概に北に行けば行くほど有利になるというわけではありません。

気温よりも日照時間のほうが重要

先ほどの表から読み取れるように、北海道や東北地方の平均発電量はそれほど多くありません。これは冬場に雪が降り、日照時間が短くなってしまうためです。「涼しい地域のほうが太陽光発電に向いている」というのは誤った考えだと言えるでしょう。

効率的に太陽光発電をするのであれば、気温よりも日照時間に着目してみてください。日照時間が季節や地域によって大きく異なることは、すでにご紹介したとおりです。太陽光パネルを取り付ける物件や立地によっても日照時間は変化します。日照りの時間を長くし、太陽の光を効率的に取り入れることが重要です。

そもそも太陽光発電とは、天然ガスや石油などの特定の場所から採集される「化石燃料」をエネルギー源とするのでなく、宇宙から全人類へ“平等に”降り注ぐ「太陽光」をエネルギー源にして電気を生み出すシステムです。つまり、太陽光発電では、人類にとって欠かせない電気を生産する為に、地球上にある資源を必要としません。だからこそ、地球環境を破壊したり汚染したりすることなく得られる「クリーンエネルギー」と言われるのです。また、同じく化石燃料を使わない原子力発電とは異なり、核廃棄物という後世に引き継ぐ“負の遺産”も生み出しません。

太陽光をエネルギー源として有益なものを生み出すというシステムは、植物の光合成が知られていますが、太陽光発電の技術は「人工的な光合成」とも呼べるでしょう。

さて、太陽光発電を実際に活用するには、太陽光を吸収して電気へと変換する為の「太陽光パネル」が必要になります。加えて、太陽光パネルで発電された電気は、乾電池などと同じく「直流」である為、家庭用のコンセントから流れてくる電気と同じ「交流」へと変換するシステム(パワーコンディショナー)なども必要です。つまり、太陽光発電を行う為には、最初に発電所を設置する費用がかかります。

しかし、太陽光パネルと周辺設備さえあれば、あとはそれらを日当たりの良い場所へ設置しておくだけで、電気が勝手に生産されます。

もちろん、安定した発電効率を維持させる為には、太陽光パネルや設備機器の補修や、周辺環境の清掃など、定期的なメンテナンスは大切です。また、突発的な故障や火災などトラブルへの備えも欠かせません。とは言え、基本的には自然に任せる発電システムなので、事業者にかかる労力は火力発電や原子力発電などに比べると遥かに少なく、また事故のリスクも低いと言えます。

その為、使い道がなく放置されたままの土地や、田畑、さらに自宅の屋根の上など、様々な場所で太陽光発電を行うことも可能です。

かつて、太陽光発電はまるで未来のエネルギー生産システムのように語られることもありました。ですが、それが実用化された現代においては、むしろ太陽光発電こそ人々にとって最も身近なものであるのかも知れません。

どうして太陽光発電投資が人気になったのか?

文明が急速に発展したことにより、人類は便利な生活を手に入れましたが、反面、森林の伐採や大気の汚染などが進行し、地球環境の悪化も加速しました。

その為、地球環境を守る上で、従来のように化石燃料や核燃料を使わない、太陽光発電だけでなく水力発電や地熱発電など、安全でクリーンなエネルギー(再生可能エネルギー)の生産システムの普及が必要でした。特に、化石燃料の使用の副産物である二酸化炭素(CO2)や窒素酸化物(NOx)・硫黄酸化物(SOx)は、地球環境に影響するだけでなく、人々の健康を直接的に害する恐れもあります。だからこそ、それらの削減は、地球や人類の未来だけでなく、“今”を守る上でも必須と言えました。

また、地球の人口増加に伴った、様々な資源の枯渇も無視できない問題でした。石油や石炭などは、人類の歴史などとは比較にならないほど、長い年月を掛けて地球の中に生み出された物質です。それにも関わらず、文明の発展により化石燃料の消費ペースは一気に加速され、やがて人々はその残量を意識せざるを得なくなりました。そういう面からも、無尽蔵に降り注ぐ太陽光を活用する研究は、とても注目を集めました。

さて、太陽光発電は地球や人類の現状を一新する未来エネルギーのように、人々の間に知られましたが、その理論が発見され、実用化されるまでには、短くない年月が必要でした。その上、実際に太陽光発電所を設置したり、それを維持したりする為には少なくない費用もかかり、それによって生み出される電気の量などを考えると、決してコストパフォーマンスが良いとは言えませんでした。

そこで2012年、日本で太陽光発電などの普及を目指して、「再生可能エネルギー固定価格買取制度(FIT)」が始まりました。

FITを簡単に言えば、太陽光発電などで生産された電気を、一定期間ずっと、最初に決めた価格で買い取ってもらえるという制度です。つまり、いざ多額の初期費用を投じて太陽光発電事業を始めても、きちんと電気を売ることが出来ずに、利益を上げられなかったらどうしよう、というような不安を根本的に解消する為の政策とも言えました。

そして結果的に、FIT法の施行によって太陽光発電事業に参入する企業や個人が劇的に増加しました。すると、太陽光発電システムに関する研究や開発も加速し、設置費や維持費などもどんどんと安くなっていくという好循環が生まれたのです。

技術が進歩し、必要経費などが安くなり、さらに長期的に安定した収益が望めるという点から、太陽光発電投資は多くの人々にとって人気の投資として受け入れられました。

太陽光発電の今後は?

まさに良いことずくめのように発展・普及していった太陽光発電投資でした。しかしだからこそ、それが広まる速度も凄まじく、それは当初に日本政府などが考えていたレベルを遙かに上回るものでもありました。

するとその結果、予期せぬトラブルや、電気の買取費用を捻出する為の財源などに関する問題が次々と生じて、政府はFITの見直しを検討せざるを得なくなりました。

そこで2017年4月、太陽光発電事業に対する抜本的な見直し策として、改正FIT法が施行されました。改正FIT法によって、買取価格の決定に関するルールや、太陽光発電事業への参入に関わる条件などが改定され、見方によっては少なからず難易度が上がってしまったと言うことができるかも知れません。

しかし、根本的に忘れてはいけないことは、改正FIT法の施行は、太陽光発電の発展をストップさせる為ではなく、むしろ“今後もずっと太陽光発電事業を安定して普及させる為”にこそ行われたということです。

多岐にわたる問題やトラブルを放置して、やがてFITや太陽光発電事業そのものが破綻してしまっては、それこそ本末転倒です。また、見方を変えれば、改正FIT法を施行したとしても、太陽光発電投資によって得られるプラスが維持されるレベルにまで、太陽光発電システムの技術が進歩したと、公に認められたとも考えられるでしょう。

実際、金融機関などでは太陽光発電投資に必要な初期費用を貸し付ける「ソーラーローン」が増えたり、また市町村などでは太陽光発電事業への補助金が支給されたりと、その発展を後押しする仕組みが全国各地で広がっています。

まとめ

改正FIT法により、再生可能エネルギー事業について考えるべきことは増えました。しかし、それが地球を守る上で重要なことに変わりはありません。むしろ、今後さらに多くの取り組みが進められていくことでしょう。